価値観は、人によって違うものです。
だから、違う価値観を持った人がぶつかり合うと「あいつとは合わない」となってしまいます。

今の管理職の世代は、バブル期を経験しています。
ドリンク剤のキャッチコピーである「24時間戦えますか?」が当時の流行後でした。
夜遅くまで仕事をするのが当たり前の時代です。

そんな時代に社会人として働いていれば、仕事はプライベートを犠牲にしてもやるものだといった価値観があっても不思議ではありません。

一方、若い世代は、ライフワークバランスを大切にする時代の中で育っています。
働き方改革で、残業時間は法律で規制されている時代になりました。

仕事一辺倒ではなく、自分の時間を大切にしたいと考える人が増えています。

若い世代に「20歳代は、仕事の基礎を作るときだから、残業してでも仕事を早く覚えろ」と価値観を押しつけても、無視されるか、反発されるだけです。

価値観は、人それぞれの育った時代背景や環境、習慣、教育や経験などから無意識的に形成されていきます。

両親との関係も大いに関係しています。
子どもの頃、何かにつけて叱られていると、萎縮してしまい、親の顔色をうかがって行動するようになります。

これは、叱られないようにするために、自分自身を守るためのものです。

仕事に就いても、上司の顔色を見て、叱られないように受け身でしか行動しなくなるのは、この価値観があるからで、一種の自己防衛本能です。

このような価値観をもった人に、自ら考えて、行動しろと言っても、何も解決しません。

上司に「自分から行動しないから、ダメなんだよ」と言われてしまうと、人生を否定されたように感じてしまいます。

上司を遠ざけるようになり、決していい関係性は築けません。
もちろん、いい仕事もできません。

では、どうすれば良いのでしょうか?

価値観を受け入れるためには、話を聞いてあげることです。

上司によくあるパターンは「私はそうは思わない」「ただね・・・」
と上司の考える方向に話し手を誘導しようとすることです。

これは上司の価値観をぶつけているのと同じで、「やっぱり、わかってくれない」と思って話し手は本音を話さなくなってしまいます。

話を聞くポイントは、決して聞き手の価値観を入れずに、ただただ話し手の話を聞きくことです。

相手の価値観に同意する必要もありません。
「そうなんだ」「なるほど」と相づちを打つくらいでもいいのです。

話を聞いてもらえれば、話し手は自分のことを理解してくれたと感じます。

話を聞いた結果、自分から行動しないという防衛本能的な価値観があれば、指示通りに確実な仕事が要求される部署に異動をさせれば良いのです。

その結果、イキイキと仕事ができるようになり、成果も上がることは確実です。互いの関係性も良くなっていきます。

これはまさしく組織の成長循環モデルでいうところの関係の質が上がっていくことになります。

関係の質が上がっていけば、結果の質もあがり、業績も伸びていきます。

価値観を受け入れれば、組織は確実にいい方向に変わっていきます。

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組織の成功循環モデル
価値観の押しつけがコミュニケーションを阻害する