先日、ある会社の年度方針発表会に参加させていただきました。

社長をはじめ経営幹部の皆さんから、企業理念、ビジョン、行動指針や年間スケジュールが発表され、参加した社員の方々は背筋が伸びる思いだったようです。

勉強会のスケジュールや評価の重点ポイント、休日や労働環境も明示され、それらが書かれた年間経営計画書も配布されました。

これだけきちんと経営をされていますので、自律型社員も増えており、業績は年率20%ずつ伸び続けています。

それでもなお社長が重点を置いている経営課題があります。

それが採用です。

年度方針発表会のあとに社長がおっしゃっていたのは

「これから日本の人口は減少していきます。マーケットも縮小し、何よりも労働人口が少なくなります。
私達は強みのある技術と商品で伸びてきましたが、それ以上に大切になってくるのは人、なかでも採用が重要な経営戦略になってきます」

中小企業では、中途採用をしている会社が多いと思われます。
中途採用で活躍されている方がいる一方で、すぐに辞めてしまう人が多いのもまた事実です。

早期に辞めてしまう人の特徴としては、

前職を退職した理由が、人間関係の問題や個人の性格の問題など、それなりの理由を持った人もいます。

また、そんな理由がないにしても、前職のやり方や価値観を引きずったまま、中途で入った会社になじめない人もいます。

なじめないならまだしも「前の会社は○○だったけど、この会社は□□だからダメなんだ」と会社の批判をしたり、社長の方針に反対をしたり、指示に従わなかったりする人であれば、社内で派閥を作って抵抗勢力になることもあります。

これでは、会社にとって大損害です。

それを回避するためには、中途採用者に対しても、企業理念、ビジョン、行動指針などを入社前に伝えていく必要があります。

中途だから、一般常識的なことはわかっているだろうとは思わずに基礎も確認をしておくべきです。
また、そんな中途社員を見抜く面接の方法や適性検査もあります。

さらに進んで将来の会社経営を考えるのであれば、新卒採用は欠かせません。

「今の中小企業の求人倍率を見たら、新卒採用なんてとても無理」とおっしゃる社長もいらっしゃいます。

最初から諦めていたら、絶対に採用など出来ません。
採用もマーケティングであり、営業活動と同じです。

自社で働くことの魅力を戦略的に伝えていったところ、社員数80名の会社では6名の新卒者が採用できました。

新卒者は、中途採用者と違って、前職を引きずることがありません。
真っ白なキャンバスですから、企業理念、ビジョン、行動指針、企業文化、仕事の進め方などが早く身につきます。
そして、しっかりした教育研修をすれば、案外早く即戦力になるものです。

新卒を採用すると会社にとっても数多くのメリットがあります。

1.既存の社員がヤル気を出す。
新卒者がはいると先輩社員達はぼやぼやしていられません。先輩らしくいいところを見せようとしてモチベーションも上がりますし、やる気を出すようになります。

2.業績が伸びる
新卒者を採用するのであれば、毎年採用をし続けていくことが不可欠です。新卒者が毎年入ってくることで組織は活性します。

組織が活性化するから業績が伸びるのか、新卒採用をし続けるために頑張るからか、どちらの要因もあいまって業績は伸びていきます。

3.強い組織ができる
新卒者を教育するのは、入社2~5年目の若手社員です。教えることが一番の教育と言われるように、社員全体のレベルアップができます。

経営戦略は真似できても、人材育成は時間が掛かりますから、すぐには真似出来ません。その結果、人材と組織力がアップし、これこそが他社との差別化にもなります。

新卒採用はすぐに結果のでる訳ではありませんが、2年3年のスパンでみれば効果のでる戦略です。

人材を採用・育成していくことが、これからの大きな経営戦略の一つとなることは間違いありません。