イチロー選手が引退をしました。
NHKでも特番が組まれるほどの国民的大スターです。
彼の素晴らしいところは数々の記録はもちろんですが、個人的にはもっと凄いと思っていることがあります。
それは、200ものルーティンワークを毎日続けていたことです。
常にレギュラーで使われることがなかったヤンキース時代から引退するまでの期間もルーティンワークを継続していたことにとても感心しました。
シーズン安打記録を作ること、通算安打世界記録を作ることが彼の目標だとしたら、その時点で引退をしてもおかしくなかったはずです。
しかし、イチロー選手は違っていました。ピートローズ選手の4256安打を超えても、野球を続けました。
このモチベーションは、どこからくるのでしょうか?
安打記録を塗り替えることができれば、達成感はあるはずです。
記録を塗り替えれば、年俸も上がるでしょうし、人気も出ます。
でも、これは彼の本当の目的ではなかったと思われます。
彼の目的は、他者からの評価ではなく、ましてや数字で表されるものでもなかったのでしょう。
数字などの表面的なものではなく、もっと心の奥底にある「野球に対する情熱や真理を究めたい」そんな内発的動機があったのではないかと想像をしています。
表面的な目標は叶えてしまえば、それでおしまいです。
しかし、感情の深いところから出た思いは、いつまでも続きます。そして、ぶれません。
このようなイチロー選手の思いは、ビジネスの世界で生きる私達にも充分参考になります。
会社経営においては、売上・利益を上げていくのは大切なことです。
しかし、単に売上だけを追い求める経営者には、社員はついていきません。どんなに美辞麗句を並べてみても、経営者の日々の言動から、社員は本質を見抜きます。
そして、いつしか辞めていってしまいます。
一方、感情の深いところから出た目的が経営者自身にあれば、少々の苦労があっても、毎日が楽しく、ワクワクした経営ができます。
そのためには、自分の生きがいや使命を明確にすることです。
自分自身に深く問いかけることで、その答えはきっとみつかります。
トップである経営者が、自分の生きがいや使命をハッキリとさせることができれば、ぶれることはありません。
経営者にワクワクできる使命があれば、社員にも経営者の本気度は伝わります。
そして、一緒に頑張ろうと社員も奮い立ちます。
使命やビジョンがあるからこそ、社員もベクトルが合わせやすくなり、会社として大きな力を発揮できるのです。
経営者ご自身の経営の目的、ビジョンは腹の底からでたものですか?