「自律型組織」構築セミナーにおいでいただいた社長が特に興味を示されたことがあります。

それが経営幹部の育成でした。

社長の仕事は、経営戦略の策定、投資計画、組織開発、人材育成、資金繰りなどなど多岐に渡ります。

これらの業務を社長の右腕となって担当するのが経営幹部です。

中小企業の経営幹部

しかし、中小企業では、社長の指示を受けて動く経営幹部が殆どで、経営幹部が考えて社長へ提案することはありません。

セミナーでも、社長は皆さん口を揃えって「その通りだ」とおっしゃっていました。

これでは、いつまでたっても社長の仕事量は減りません。

自律型組織を作りあげていくときに、社員とベクトルを合わせるのは当然のことですが、影響力が大きい役職上位者である経営幹部と社長のベクトルを合わせることが喫緊のテーマとなります。

しかし、社長からの指示を聞いて実行するスタイルが経営幹部幹に染みついていると、そのスタイルを変えていくのも大変です。それは社長も同じです。

社長自身が「俺が指示を出さないと、会社は回らない」と思っていたら、経営幹部は育っていきませんし、自律型組織にはなりません。

自律型組織の目的は、社員が自分で考えて、行動し、育て合いながら、業績を伸ばし、社員も幸せになることです。

その結果、社長は戦略やビジョンの策定など、会社の将来の進むべき方向を考える本来の仕事に集中ができるようになります。

このような自律型組織をつくるためには、まず経営幹部を育てることです。

経営幹部育成の7ヶ条

そして、経営幹部を育成するには7つの要素があります。

1.社長・経営幹部が、覚悟を決めること

経営幹部は自分たちが会社を運営していくという覚悟を、社長は経営幹部に任せる業務は任せていくと覚悟を決めることです。

2.社長の経営理念・ビジョンを理解し、共感すること

経営幹部は社長が掲げる経営理念やビジョンに共感し、自分事として理解し実行できることがとても大切な条件になります。

会社経営の軸である経営理念やビジョンを共有してこそ、経営幹部が自分で考えて行動が出来るのです。

3.経営幹部の役割を明文化すること

経営幹部の役割を文書として明文化して、経営幹部かなすべきことを明確にしていきます。
以前のブログでも書きましたが、経営幹部になるための資質や条件も明文化しておきます。

4.担当業務の経営戦略を策定し、実行をすること

担当業務については、社長からの指示ではなく、経営幹部自身が経営戦略を策定し、実行をして会社を運営していきます。経営戦略を策定した段階で、社長に決済を仰ぎます。

ただ、今までやってこなかったことが、すぐに出来るとは限りません。
まずは戦略を策定し、社長とともに修正をしながら作りあげていくことが大切です。
やり続けることで、能力は向上をします。

5.経営幹部が担当業務の損益計画を作る

経営計画には当然目標数値があります。経営戦略と共に経営幹部が担当業務・担当部署について考えます。
当初は社長から目標営業利益のみ提示することもあります。

6.経営幹部に対して教育を行う

1~5までの内容を、確実に実行するためには、経営幹部に対する教育や研修が必要です。

経営幹部に対する研修は実施していない会社もありますが、自律型組織にする、経営幹部を育成するには教育・研修は欠かせません。

7.次世代の経営幹部と社員を育成する

経営幹部の役割は、担当業務を責任をもって運営して結果を残すことです。
もう1つ大切なのは、次世代の経営幹部や社員を育成する役目を担っています。

会社の質を上げていくためには、人材の育成ほど大切なことはありません。
自らが見本となって、人材を育成することで、経営幹部自身もさらに成長をしていきます。

経営幹部を育成することは、会社の質を向上させ、強い組織を作りあげていくことです。

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