マイナスをゼロにすると評価が上がる?

「出来て当たり前」、こんな考えが各業界にはあるようです。

「市場や経済環境の変化によって、短期間に課題を解決し、技術的な問題を解決しなければならずに忙しい毎日を送っています。

それに加えてムリ・ムダ・ムラの排除を行っており、余裕がありません」と製造業の幹部の方がおっしゃっていました。

そんな状況ですから、通常業務は「出来て当たり前」という考えが社内にはあります。
もしも、出来なかったり、問題を発生させた場合には、厳しい目を向けられます。

しかし、問題を発生させても、問題を解消させた場合には評価が高くなってしまう傾向があります。
一見すると納得してしまいますが、よく考えてみると不思議です。

問題を発生させて解消しても、それは「マイナスをゼロ」に戻したにすぎません。

会社の業績を伸ばして行くためには「ゼロからプラス」にしなければならないのです

「なぜ」を繰り返さない!

製造業では、技術的な問題に関しては、なぜを繰り返す5WHYが定着しています。
そのおかげで技術が発展してきたことは紛れもない事実です。

しかし、人に対しても技術と同じように、「なぜ」が繰り返されています。
人の良くない点や意識を5WHYで改善しようとしても上手くいきません。

「なぜ出来ない?」と言われても、出来る方法を考えるのではなく、言い訳をするだけになってしまいます。
意識を改善するのは、他人に強制されるものではなく、本人が変わりたいと思って初めて変わっていくのです。

そのためにはどうしたらよいでしょうか?

出来ないことを指摘するのではなく、出来ていること、上手くいっていることに目をむける環境を作っていきます。

出来ないことを指摘しても過去を振り返るだけです。
「なぜできないんだ!」と言われれば、マイナスをゼロにするどころか、マイナスのイメージを強化するだけになってしまいます。

出来ていることを、上手くいっていることを認めれば、未来に向かって前進しようとする活力が湧いてきます。
「どうしたら上手くいくと思う?」と言われれば、未来への思考が変化します。

信頼関係と自己有用感の高いチーム作り

社員がやりがいをもって働くには、「信頼関係」と「自己有用感」の2つが必要です。

信頼関係とは、仲間から信頼されている、仲間に仕事を任せられる。共感や配慮ができることであり、
自己有用感とは、自分には能力があり、会社に貢献している。会社に居場所があることをいいます。

そんなチームを作るには、お互いの良いところ、出来ているところを認め合いことであり、
それを本心から言動でお互いに伝えることです。

残念ながら、習慣とは恐ろしいもので、相手の良いところ、出来ていることを認めろと言ってもすぐには変われません。

それは、これまで慣れ親しんだ思考や言葉が身についてしまっているからです。

それでも、信頼関係と自己有用感の高いチームを作るには、思考や言葉を新しいバージョンに変えていく必要があります。

いわいる心理的安全性の高いチームについては、沢山の書籍が書店に並んでいます。本を読めば頭ではわかります。
しかし、それだけで今までの言動は変わりません。

「なるほど、これだったのか」と腑に落ちるように体験することが必要です。
体験すれば、思考と言葉が変わります。

ぜひ一度、心理的安全性の高いチームを作るベーシック研修」のお試しワークショップで、腑に落ちる体験をして、目からうろこを落としてください。