御社では、コミュニケーションは上手く取れていますか?
一口にコミュニケーションといってもいろんなものがあります。
井戸端会議や飲み屋での会話もコミュニケーションですが、笑って聞き流すだけでも全く問題はありません。
しかし、仕事コミュニケーションは目的が違います。
コミュニケーションを通じて、何らかの意思決定をしたり・させたり、何らかの行動を促すことが仕事コミュニケーションには求められます。
仕事コミュニケーションが上手くいっていないと、仕事が上手く進まないだけでなく、トラブルを起こしてしまうこともあります。
それがもとで人間関係がおかしくなってしまい、コミュニケーション不全は心理的安全性に高い職場とは対極にあり、職場の雰囲気を悪くし、信頼関係がなくなり、業績にも悪影響を及ぼします。
コミュニケーションが上手くいかない理由とは?
なかでも上司と部下のコミュニケーション不全が起きてしまうと仕事は上手く回りませんし、離職の引き金にもなってしまいます。
その要因は、
・「指示をしただろう、なぜ出来ていないんだ」という、指示をしたつもり。
・「わかりましたと、言ったじゃないか」という、相手はわかっているつもり。
・「そんな意味で言ったんじゃない。もっと考えてやれ」という、という言葉の持つ意味の違い。
・「なるはやでやってくれ」という曖昧な指示。
いづれにしても、上司である指示者の考えが部下である受け手に伝わっていないためにコミュニケーション不全が起きてしまうのです。もちろん、指示を受けた部下に問題があることもあります。
こうなってしまうと、受け手は不満に感じ、これが続けば上司への不信感が募るだけです。
反対に、指示者はイライラして怒りの感情が爆発し、受け手を叱ったり、仕事が出来ないと思い込んだりして、お互いの関係性はズダズタに壊れてしまう可能性すらあります。
でも、これらは殆ど、指示を出した上位者が悪いと思った方がいいのです。
どんなに正確に指示を出したとしても、受け手が正しく理解を出来なければ、これはコミュニケーションが成立しているとはいえません。
そのため「コミュニケーションは受け手が決める」といわれるのです。
コミュニケーションを円滑にするの4つの方法
コミュニケーション不全をなくし、正しいコミュニケーションにするためには、4つの方法があります。
1.言葉の意味を共通化する
「書類を整理しておいて」という言葉1つとっても、指示者と受け手では意味が違っています。
指示者は書類を分類ごとに分けて、それぞれに整理することまでを含めて「整理」と考えていたのに、受け手は単に乱雑なった書類をきれいにするだけだと思っていれば、これはもうコミュニケーション不全です。
同じ言葉でも受け取る人によって意味の捉え方は違ってきます。
それぞれの育った環境、教育・仕事上のキャリア、人生経験などによって変わってきて当然です。
これを解決するためには、言葉の意味を社内で共通化することです。
これだけでコミュニケーション不全は少なくなります。
2.具体的にわかりやすく指示を出す
話が、回りくどい、話が長い、無駄な言葉や仕草が多いなど、指示が受け手にわかりにくければ、コミュニケーションは成立しません。
話をしている途中で、指示者が別の事を思い出して、当初の指示が変わってしまっては、受け手は何をどうしたらよいかわからなくなります。
「え~」「あの~」「ですね」「ちょっと」「正直」「やはり」など、話を聴いていると使う必要のない不要な言葉、曖昧な言葉が多用されていても、聞き手は非常にわかりづらくなります。
長く話をすれば相手はわかるだろうというのも大間違いです。
端的に必要な事項を伝えることこそが、わかりやすいコミュニケーションです。
話が長いのは社長に多い特徴です。
3.指示の確認
言葉の共通化をしても、端的に話したとしても、まだ完全ではありません。
指示を出したら、正確に指示を理解しているのかを確認をして、はじめて受け手が理解していることになります。
指示を出しっぱなしではいけません。
案外ここをすっ飛ばしていることが多いのです。
そして、指示が正確に伝わっていることが確認できたら、指示通りに実行されているのか、その結果まで確認して、初めて確認をしたことになります。
4.耳を傾ける
指示を出して受け手がわからないことがあれば、上司である指示者が部下の疑問や質問を聞けるような耳を持つことが必要です。
指示の確認をしたときに、ちょっとしたことでも不明な点が聞けるような関係性を作っておくことが、コミュケーション不全を防ぎます。
「そんなこともわからんのか!」と言ったり、言葉には出さなくても表情や態度に出してしまえば、よほど度胸のある部下、何事もすぐに忘れてしまう部下以外は三度同じことが続けばだれも聞いてこなくなるでしょう。
上位者は仕事が出来るから上位者である訳で、部下は上位者より仕事が出来ないからこそ部下ですから、わからなくて当たり前くらいであれば頭にくることもありません。
コミュニケーションの本当の目的とは?
仕事上のコミュニケーションとは、雑談レベルの井戸端会議と決定的に違います。
仕事コミュニケーションとは、相手に意志決定を促し、行動してもらうためのものです。
アメリカの著名な実業家であり、コンサルタントでもあるブライアン・トレーシーは言います。
「成功するためには10%の専門知識と90%のコミュニケーション能力が必要」だと。
コミュニケーションが正しく機能していれば、業績も伸び、職場も社員もイキイキ働けます。
そして、心理的安全性の高いチームを作るベースがコミュニケーションなのです。
御社でも、この機会にご自身のコミュニケーション、社内のコミュニケーションを確認してはいかがでしょうか?