TBSドラマ「半沢直樹」を観て考えてしまいました。
よい部下とは、どんな部下なのでしょうか?
従順な部下
よい部下の条件としては、上司に対して従順であり、組織のルールはきちんと守ることもその1つでしょう。
上司としては、自分の指示を確実に守ってしてくれるので安心です。
しかし、従順でルールを守る部下が本当によい部下であるかは一人ひとりについてしっかり見極める必要があります。
半沢直樹に出てくる東京セントラル証券次長から東京中央銀行に戻った諸田祥一は、上司である市川猿之助さん演じる伊佐山部長に対して従順です。
上司の伊佐山部長の命令には従います。
しかし、その従順さは、あくまでも己の保身のためです。
会社の業績を伸ばすためのものではありません。
従順で組織のルールを守るだけの部下は、自ら考えることを放棄し上司の指示命令に従っていればいいと思って仕事をしている可能性があります。
その方が波風は立ちませんし、仕事が上手く運ばなくても上司の指示ですから、自分で責任を負わなくても済みます。
また新しい業務や難しい業務には、様々な言い訳を考えて行おうとはしません。
全ての従順でルールを守る人がそうだとは決して思いませんが、私のサラリーマン時代にもそんな人達がいたことは紛れもない事実です。
扱いにくい部下
一方、半沢直樹のような部下がいたらどうでしょうか?
決して扱いやすい部下ではありません。
彼は、自分で考えて、会社のミッションである「お客様の利益のために」を実現するために動きます。
たとえ、上司の指示とは違っていても、ミッションの実現のためには躊躇することなく、自らの考えで行動をします。
1つの方法がダメになっても、別の方法を考え、決して諦めたり、投げたりはしません。
さらに、限られた条件のなかでも、非常識と思われる方法を実行するのです。
そのため、混乱が起きることもあり、上司の指示を聞かないトラブルメーカーのようにも見えます。
彼は、自立性を重んじ、現状を打破し、高いリスクを負ってでも、目標を達成しようとする強い意思の持ち主です。
半沢直樹はドラマだから誇張されているのでしょうが、あながちそうとも思えないことがあります。
先の見えない時代に必要な部下
初代として会社を立ち上げた社長のサラリーマン時代のお話を聞くと、半沢直樹のように上司と衝突しても、自分で方法を考えて実績を上げてきた方々が多いのです。
若い頃勤めていた会社の保守的な会社組織、行き詰まった仕事内容、不明確な目標や評価基準、会社の意思決定方法などに不満を持っていたからこそ自ら会社を立ち上げたのだと思います。
半沢直樹のような部下は、組織をよくしよう、目標を達成しようとする高いエネルギーを持っていることは確かです。
決して、上司には従順ではありませんが、社内起業家と捉えてもいいかもしれません。
こんな人材こそ、混沌とした時代には必要です。
そして、優れた能力を100%発揮させれば、会社にとって大きなメリットをもたらします。
会社の経営理念、ミッション、ビジョンを正しく理解していれば、責任者として仕事を任せたほうが業績も伸びて行くはずです。
多少の軋轢はあるかもしれませんが、高いエネルギーは他の社員にも伝播していきます。
高いエネルギ-をもった社員を活かすためにも、社長は、経営理念とワクワクするような目的、目的を達成するための戦略を策定し、社員を応援をすることが大切です。