上司が部下に「これやっておいて」と指示を出して、部下が「はい、わかりました!」とこたえることは、仕事ではよくあることです。
ところが、部下は「わかりました」って言っていたのに、全く行動できていないことはありませんか? 言葉だけ調子がよくても、実際に動かなくては何も進みません。
部下が動かない理由
上司が指示した時、部下が「わかりました」と言っても動かない理由は大まかに、下の5つの原因が考えられます。
1. 現状に満足
部下が現状に満足しており、上司の指示であってもルーティンワーク以外の新しいことには拒否反応がある場合、うわべでは上司に従うふりをしていますが、内心では指示に従わず、行動しようとは思っていません。
2.信頼関係がない
上司と部下との間に信頼関係ができていない場合は、上司の指示に表面上では従うものの腹の中では「やっても無駄」と上司のために動こうとはしません。その結果、当然に何も進まないのです。
3. コミュニケーション・ミス
上司は「この前、指示したよな!」、部下は「聞いていません」。
このようなことは多くの会社で起きていることです。完全なコミュニケーション・ミスで、これを繰り返していると上司と部下の関係性は非常に悪くなります。
4. 上司の指示があいまい
部下が「わかりました」って言っても、実際どうすればいいのか具体的にわかってない場合もあります。
部下は動き方がわからなくても上司に聞きづらいため、結果的に行動に移さないまま、時間だけが過ぎてしまう事もあります。
5. 部下が失敗を恐れている
新しい仕事をやる時、部下は「これ失敗したらどうしよう」とか「上司に仕事ができないやつと思われたくない」という気持ちが強いと動けなくなることもあります。
失敗が怖くて、悪い評価をつけられたくないときには、行動しなくなります。
部下を動かす
上司として部下が適切な行動ができるようにするには、いくつかの対策があります。
1. 信頼関係を築く
部下の話をよく聞き、悪い点ではなくよい点を見つけて評価し、部下を認めることで関係性はよくなっていきます。
上司と部下の関係性がよくなれば、指示通りの行動をするようになります。 定期的に部下の行動を確認して、ポジティブなフィードバックをすることも大切です。
2. 明確な指示を出す
指示を出す時は具体的に何をどうするかはっきり伝えます。これで部下が納得すれば行動しやすくなります。目的と方法論がわかれば、部下も行動します。
そして、コミュニケーション・ミスをなくすために、メモや復唱をさせます
3.情報を公開する
会社の将来のビジョンや経営数字を公開することで、将来に対する不安を払拭し、現状維持は衰退であることを、部下に理解させていきます。
4. 必要なリソースを提供する
部下が動けない原因として、時間、情報、ツールやスキルが不足している場合があります。部下が仕事をするのに必要なリソースを提供することで安心して指示を行動に移すことができます
5.部下の不安を引き出す
「何か心配なことがある?」とか「どこに不安を感じている?」といった質問を1on1ミーティング」などで投げかけて、部下の心配事を引き出すことで、部下が安心して動けるような環境を作ります。
まとめ:言葉じゃなくて、行動で本音がわかる
言葉で調子がよくても、行動が伴わなければ、言葉は本心を隠すカモフラージュに過ぎません。上司は、部下の本音をしっかりと見極め、行動に移すためのサポートをすることが重要です。
行動こそが、本心を表すものなのです。