親しくしている先輩の社長に誘われて、経営者の勉強会に参加しています。
その勉強会は、戦略やマーケティング、業務改革やDXなど直接経営に関することを学んでいるわけではありません。
卒寿を迎える先生はかくしゃくとされており、経営者こそ人生哲学を学ぶべきだとの信念で長らく勉強会を続けています。
あおいくま
勉強会が始まる前の雑談の中で、参加者の一人が尋ねました。
「『あおいくま』をご存じですか?」と。
「あおいくま」など絵本以外では見たことはありません。
不思議そうな顔をしていると
笑顔で
「これは、動物の熊ではなく、人生訓の1つです」と教えてくれました。
あ・・・あせるな
お・・・おこるな
い・・・いばるな
く・・・くさるな
ま・・・まけるな
安岡正篤 先生
雑談が終わり、勉強会で紹介されたのが、安岡正篤先生(1898年-1983年)の日用心法でした。
安岡正篤(やすおか まさひろ)は、日本精神の研究、政財界の精神的支柱や御意見番として知られていた東洋思想家です。吉田茂、池田勇人、佐藤栄作、福田赳夫、大平正芳など歴代の首相が安岡正篤を師と仰いでいました。
また、日用心法は、日々の生活で心得るべきことを和漢の故事を引用しながら述べた心学書です。
次に記す15のことを実行すれば、病気をしないで長生きができるとおっしゃっています。
経営者は、元気で長生きすることは何より大切です。
社長が病に倒れたばかりに業績が急降下した会社もありました。
社長が不在でも、会社が成長し続けるためには自律型組織を作り上げることが必要です。
しかし、後継者を育てあげるまでは、社長が元気でいなければなりません。
日用心法
健康で長生きするための秘訣は、安岡正篤先生の日用心法(日々の心構え)を実行することです。
第一、毎日の飲食は適正にやっているか。
第二、毎晩よく眠れるか。
第三、自分の心身に影響を与えているような悪習慣はないか。
第四、適当な運動をしているか。
第五、日常生活上の出来事に一喜一憂しやすくないか。
第六、精神的動揺があっても、仕事は平常どおり続け得るか。
第七、毎日の仕事に自分を打ち込んでいるか。
第八、自分は仕事にどれだけ有能か、自分は仕事に適するか。
第九、現在の仕事は自分の生涯の仕事とすることに足りるか。
第十、仮に自分の仕事がどうしても自分に合わぬ、自分の生活が退屈であるとすれば、自分の満足は何によって得るか。
第十一、自分が絶えず追求する明確な問題を持っているか。
第十二、自分は人に対して親切か、誠実か。
第十三、自分は人格の向上に資するような教養に努めているか。
第十四、特に何か知識技術を修めているか。
第十五、自分は何か信仰、信念、哲学を持っているか。
(以上、「安岡正篤一日一言」より)
自分では、なかなか実行できていませんが、15を心がけて仕事に人生に励んでいきます。