2月27日に小中高を休校にして欲しいと安倍首相より要請がでました。
コンサートやスポーツ大会やイベントなども続々と中止が発表されています。

緊急時の対応は、何をやっても批判をされます。
その判断が正しいのか、間違っているのかが、その時点ではわからないからです。
たとえどんなに批判されても、最悪の状況を考えて判断を下す必要があります。

「もっと強化した対策をしておけばこんな事態にはならなかった」と思うより、
「過剰な対応だったかもしれないな」と結果的に思えれば、それは正しい判断だったといえるでしょう。

そして、大切な緊急時の判断が出来るのは、リーダーです。

緊急時の対応で、今でも思い出されることがあります。

専門学校に教員として数年間勤めていた頃のことです。
大型台風が接近をしており、通常通り授業をおこなうのか、それとも授業を短縮するのかの判断をする必要がありました。

天気予報ではこれから風雨が強くなるので警戒が必要だと呼びかけていたのです。
「公共交通機関がストップしたら大変ですから、授業は早めに切り上げましょう」と提案をしました。

責任者であった学科長は「台風が近づいているが、今のところ風雨は強くないから大丈夫。大切な検定試験も近いので通常通り授業します」と決定したのです。

30歳代で血の気の多かったときでしたから、通常通り授業をすることに猛然と反対をしましたが、聞き入れられませんでした。

時間がたつにつれ、天気予報の通りに風雨は強くなっていたものの、学科長の指示通り授業は通り行われました。

そして不幸にも、千葉方面の電車が運転を取りやめたとのニュースが流れたのです。
結局、千葉方面から通っている学生達は帰宅できない事態になりました。

検定試験の結果を重視するのか、それとも学生の安全を優先するのか、
緊急事態時の判断は、リーダーの真価が問われます。

今回の新型コロナウィルスは非常に特殊な緊急事態だと思われます。
ウィルス感染の拡大を防ぐ方法は、業種業態によっても異なります。

在宅勤務やテレワークが出来る会社もあるでしょう、反対に工場や店舗では出勤をすることは避けられません。

重要なのは、時短も含めてどんな営業体制、勤務態勢にするのか、はっきりと指示・命令し、的確に指導することです。

社員の仕事内容や職責によっても違ってきますが、社員が迷わないよう明確な指示が求められます。

その指示命令ができるのが、社長です。

緊急事態は今回のウィルスだけではありません。
地震、台風、火事、洪水などの災害が起こることも充分考えられます。

緊急事態のときには、リーダーの資質も大切ですが、もっと大切なのことがあります。
それは、緊急時の事前準備やマニュアルが備わっていることです。

思いつきで指示を出しても、混乱を招くだけです。
起こりうる事態を想定し、綿密に、慎重に考え抜かれた緊急時の対応策を準備しておく必要があります。

今回の事態はピンチかもしれませんが、緊急時対策を考えるにはチャンスなのです。

緊急時に組織として一貫した行動をするためには、社長が指示命令すれば、各社員が緊急時対応策に則って判断し、行動できるようにしておくことです。

それは普段から、理念やビションを理解し、自ら考えて行動し、共に協力しあえる組織にしておくからこそ、緊急時でも正しい判断と行動が出来るようになります。