自己有用感と自己重要感

セミナーやコンサルの現場で、よく使う言葉に「自己有用感」と「自己重要感」があります。
どちらも高い方が仕事のモチベーションも成果も上がります。

似たような言葉ですが、とっても簡単に違いを言うと自己重要感は自分自身に対する評価です。
自己有用感は、他人との関係や社会的な結びつきを含めた評価になります。

もう少し詳しく言えば、自己重要感は、自分は重要な存在であるという感覚、自分をどれだけ受け入れているかという自己評価をいいます。

自己有用感は、自分が誰かの役に立っていると思う感覚で、他者からの評価から生まれます。 

自己重要感の高い社員は、自分に自信があり、何らかの成功体験をしているはずです。
新しいことへのチャレンジには積極的です。失敗をしても再度挑戦する気力があり、チャレンジが成功すれば自己重要感をさらに上げてくれます。

自己重要感の低い社員は、自分を過小評価しており、失敗や他人の評価を気にします。
新しいことには否定的です。チャレンジしても「どうせ成功しないだろう」と考えてしまいます。
失敗をすれば、自己重要感はさらに低くなってしまいます。

自己重要感が高い社員、低い社員、どちらがよいかを比べれば一目瞭然です。

自己有用感や自己重要感を高める7つの方法

自己有用感や自己重要感を高める方法は、個人の性格やニーズによって様々ですが、私どもが考える代表的な方法を7つ紹介します。

1.目標設定とフィードバック

今の実力よりもやや上の目標、がんばれば達成出来る目標を自ら設定し、目標に対する成果に対して定期的にフィードバックをします。

目標設定を上司がサポートして共有し、1ON1ミーティングなどで成果を評価することで、他者から承認され自己重要感、自己有用感があがります。

2.自分で考え行動する

仕事での幸せは、自分で考えて行動することです。

経営理念やビジョンを理解・共鳴して自ら考え行動することは自律型組織の基本であり、自己有用感・自己重要感を向上させます。

3.失敗を前向きに捉える

チャレンジをして常に成功するとは限りません。失敗したとしても、その中には上手くいったこともあるはずです。

失敗を糧にして次に挑戦できる環境を作ることで、自己重要感、自己有用感があがります。失敗こそ学びや成長の機会として評価できるようにサポートします。

4.チームワーク

同じ職場の仲間が互いにコミュニケーションを取ることで、チームとしての力が最大限に発揮でき、協力して共通の目標に向けて働くことで、業績はアップします。

また、職場の仲間との関係性がよくなれば、自己有用感もアップします。

5.感謝できる組織風土

出来て当たり前と考えずに、指示をしたことが出来れば「ありがとう」と感謝を相手に告げることで自己有用感が高まります。

社長をはじめ経営幹部が実行することで、感謝する組織風土を作ります。

6.研修・資格取得サポート

自分の実力を伸ばすための継続的な研修やトレーニング、資格取得のフォローアップなどスキルを伸ばす機会を提供することで、社員が自己成長を感じられる環境を作ることで、自己重要感、自己有用感を向上させます。

7.ほめほめワーク

出来ていないことは指摘されますが、出来たことを認められることは多くありません。
努力の過程も結果も含めて認められれば、モチベーションは確実にあがり、自己有用感もアップします。

定期的に互いに認め合う「ほめほめワーク」をすることで、自己重要感も大きくアップします。

まとめ

これらの方法を組み合わせて、社員の自己有用感や自己重要感を高めることができます。

その前提として、社内のコミュニケーションを活性化して、社内の関係性をよくしておく必要があります。

そして、仕事でもプライベートでも何でもよいので、小さな成功体験を積み重ねていくことが、自己有用感や自己重要感を高めるためにはとても重要なことです。