なぜ「やらされ感」になってしまうのか、どうしたら「やる気」になるのでしょうか?

やらされ感とやる気

「自分を殺して会社勤めをしてきましたが、昨年退職をし、独立をしました。が・・・」
これは、あるセミナーであった質問です。

自分もサラリーマンだった頃はそんなことを考えていたなと、思いながら聞いていました。

「今月の売上目標は○○千万円」とノルマが与えられたときには、押しつけ感・やらされ感が強く、やる気にはなれず、売上目標を達成することはできませんでした。

ただ、いつもそんな時ばかりではなく、充実してイキイキと働いていたときもあったのです。

それはどんな時かを思い出してみると「お客様に喜んでもらいたい」「部下に自信をつけさせて、チームとして成果を上げたい」など、会社から与えられた単なる売上目標ではなく、自分で目標を設定したときでした。

ご支援先の社員からも「『単に売上を上げろ』と会社から尻を叩かれるのは、やる気が出ないんですが、『お客様に喜んでもらうためには、どうしたらよいか?』を考えて仕事をする方がやる気も出るし、結果も出る」と私と同じようなことを言っていました。

会社ですから売上目標は必要です。

ただ、社員に押しつけ感や、やらされ感が強いときには、渋々仕事をしているので、モチベーションは上がりません。当然、目標達成もできません。

ところが、会社の売上目標を自分で考えたオリジナルの目標に転換すると、俄然やる気が出ます。
そして、結果もついてきます。

外発的動機と内発的動機

これは、外からの命令(外発的動機)なのか、自分で設定した目標(内発的動機)なのか、の違いです。

たとえば、ボーナスを多くもらえるから一生懸命に働くのも悪くはありませんが、これは外発的動機です。お金をたくさんもらえれば、一時的な喜びはありますが、長続きはしません。

また、その後はさらに大きな金額をもらえなければ喜びではなく、不満に変わってしまいます。

一方、お客様に喜んでいただきたい、仕事を通じて社会に貢献したいなどは、内発的動機です。
内発的な動機は、誰に指示された訳でもありません。

「お客様に喜んでもらいたい」が動機であれば、一人のお客様に喜んでいただいたことは、自分にとっても喜びです。

ですから、一人より二人、二人より三人と、より多くのお客様に喜んでいただけることは、自分の喜びも大きくなっていきますので、長続きをします。

ただ、誰もが内発的動機で働いている訳ではありません。

内閣府の世論調査をはじめインターネット上にある「働く目的」のアンケート調査では、50%以上の人が収入を得るためと答えています。
お金がなければ生活できませんが、「自分の才能や能力を発揮するために働く」「生きがいのため」などと答えた人は30%弱でした。

「やらされ感」を「やる気」に変える社長の手腕

やる気を出す内発的動機の出し方

では、内発的動機は、どうのようにすれば出てくるのでしょうか?

それは、自分の心の内から湧き上がってくるものです。

ところが、多くの人がどうして自分の心の中から湧き出て来るのかを知りません。
その理由は、自分自身に深く問いかけていないからです。

そんなことを、問いかけなくても生きてこられたし、そんなチャンスもなかったからです。

ただ、誰に指示された訳でもないのに、一生懸命に努力をした経験があるはずです。
それは、なぜだったかを考えると、内的動機が見えてくることがあります。


その動機こそが、こうありたいという自分の理想像(ビジョン)であり、人生のミッション(使命)なのです。

研修では、「充実体験」と題して内的動機を観察します。
充実体験の根底に流れる動機がわかると、働く目的についても共通点があることに気付きます。

そして、働く目的との共通点を見つけることができれば、仕事に対する意識も変わり、内発的動機も高まっていきます。

内発的動機は中長期的に続く

社員が自分を深く見つめて内的動機を探る「充実体験」「仕事観研修」や「自分年表作成研修」を行った会社では、社員の意識は変わっています。

「仕事は辛いものだと思っていましたが、研修を受けてみて、自分はこんなことを考えていたんだと自分自身について新たな発見がありました」

「顧客や会社の仲間の見方も変わってきて、仕事を通じで自分のしたいこともできるんだということがわかり、仕事のなかから楽しみもみつけられそうです」

このようなアンケートが返ってきました。

「充実体験」「仕事観研修」や「自分年表作成」は、直接仕事のノウハウを教える研修ではありません。

しかし、経営理念やビジョンと社員の仕事観を合わせるには、仕事観や働く目的、生きる目的を考える機会が必要です

その結果、中長期的に社員のやる気を高め、結果的に業績も伸びているのも事実です。


業績を伸ばしているご支援先では、「充実体験」「仕事観研修」や「自分年表作成」を行うことで、社員が内発的動機にしたがって、自発的に働くようになっています。

やる気にさせる人材育成は、こちらから