「V字回復した、最大のポイントは何だったんですか?」とご支援先の社長に聞いてみました。
するとすぐに「社員が頑張ってくれたからだよ」と答えが返ってきました。
製造業、飲食業でもV字回復した会社がありますが、どちらも共通して社長がおっしゃったのは「社員の頑張り」でした。
V字回復するには、経営戦略を策定し、実行することが必要なのは当然ですが、社長はそれよりも社員のことを評価していました。
どんなに素晴らしい経営戦略があっても、それを成し遂げるには、社員が同じ方向を向いて、仕事をしてくれなければ、V字回復などは絶対に達成出来ません。
それを可能にしたのは、社長の言動が変わったからなのです。
業績が悪いと、どうしたって気分もよくありませんし、表情にも表れます。
社長が暗くなってしまえば、社員にも伝染して会社全体が暗くなってしまいます。
以前の会社の状態は、全くその通りの雰囲気でした。
ところが、社長は現実から逃げることはできないと、腹をくくりました。
過去を変えられないけれども、これから経営戦略を実現していけば、業績は伸びていくと信じていたのです。
そのため、社長は未来のことを考えて、社員には笑顔で接するようにしました。
中でも、現場の社員・スタッフには笑顔で声を掛けていました。
「どう?元気でやってる?」「いい感じに仕上がってるね」など、気軽に接していたのです。
すると、社員・スタッフもやる気になっていきます。
社長に認められている、会社に必要とされている、と感じたからでしょう。
工場では生産性があがり、飲食店では売上が伸びていったのです。
さらに、社長と社員の距離が近くなったことで、社長にも声を掛けやすくなりました。
現場の社員からは「今のままですと、作業動線が長いので効率がよくありません。機械の配置を変えてみたらどうでしょうか?」など改善意見がどんどん入ってくるようになったのです。
すぐに対応できる意見はすぐに採用し、検討を要するものは検討をしてから実施の有無を判断しました。
提案した社員は、自分の意見が採用された訳ですから、モチベーションは上がります。ますますやる気になって仕事に打ち込みます。
提案をしても採用されなかった案についても、提案をしてくれたことへの感謝とどうしたら採用されたのか、そのポイントも伝えていました。
これで、ますます現場の士気は上がっていき、業績が低迷していた会社は、見事にV字回復を遂げたのです。
社員とコミュニケーションを取ることは、社員の存在を認め、モチベーションを上げると共に、風通しのよい組織風土になって行きます。
コミュニケーションは、教育の1つの手段でもあり、V字回復の原動力になりました。
やはり、会社は社員のやる気なんです。